SHUSE

- 2023.04.12

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KOJIが旅立ってふと虚無感に襲われたりしています。これは永遠に続いて仕方のない事かもしれませんね。

 

2020年7月、旧友michi.とのグループALICE IN MENSWEARのHPにて突然の病状の発表を知り普段交流のなかった僕はTwitterでKOJIへのリプライとしてファイトとだけ送った。陰ながら応援している事に対してあまり目立たないようにと思って。

しかしながら彼から別のメッセージアプリで返信がきた。メッセージありがとうと。

ファンのメッセージをくまなくチェックしている中で僕のメッセージを見つけたんだろうと思う。そういえば僕もKOJIもラクリマのHPが出来る前からファンサイト等を覗いたりして楽しんだり元気を貰っていた事を思い出した。

 

知らせを受け僕はハッピーエンドで終わるシナリオを強くイメージした。病気が良くなって復活を祝い一緒にステージに立つ事までがセットだ。僕らはそれほどの強運の持ち主でそう信じて疑わないところから楽観的に考えていた。今思うと愚かだが、そう思えば実現すると考えた。

 

僕らはLa’cyrma Christiを通じて青春を共にしミュージシャンとして成長してきた。途中で互い別の道を歩む事になるがこれも成長したからのこその事だと思っている。

もちろんファンの為にもずっと一緒に続けられたほうが良かったけど僕らは貪欲に自身の音楽を追求しまだ見ぬ景色に理想を求めていた。この事に関しては勝手を言って申し訳ないと思っている。

そういった活動の中La’cyrma Christiの再結成は成長を確認出来る場所でもあり、また共に前に進むのが無理でも時間を止める、原点回帰する場所として有意義なものだったと思う。そんな中KOJIがたどり着いたのがALICE IN MENSWEARとういう場所。やっと手にいれたであろう理想的な相棒との活動はうらやましくもあり「良かったな!KOJI」と陰ながら応援していた。

どのタイミングだから良いとかはないけれど、これからやりたい事が沢山あるのに志半ばかと思うと本当に残念で仕方がない。順当にその役目は俺に任せて欲しかったが美人薄命イケメン枠が発動したのか。

 

2022年の2月僕が書いたシナリオや楽観的に考えていた事から予期せぬ発表があった。

いや、それはALICE IN MENSWEARファンに向けて活動の中でKOJIが突然不参加になるかもしれないという謝罪と共に自身の治療がおおむねうまく行ってないというものの微かな望みはあるから心配しないで欲しいといった内容だった。昔からそうだけど彼は真面目で頑固だ。曲がった事が嫌いで衝突する事もあったけどこれは彼が考えるファンへの誠意だったのだろう。

しかしながらその発表は僕にとって来るべき時へのカウントダウンを思わせるものだった。

いや、前向きに生きている人間に対してそんな風に考える事が失礼だ、とも感じ僕の感情はグルグルとしていた。

 

その知らせを受け僕はKOJIに掛ける言葉を探していた。何度か書き直して最後に決めた言葉をメッセージアプリで送ったがもう遅かったのか既読にすらならなかった。

失礼だとも感じつつも残された時間を家族や現在の仕事仲間に時間を費やして欲しいという気持ちもあった。最後に会いたいとかってありえんし運の向くままにその身を任せた。

無責任かもしれないし後悔する事かもしれないけど僕にはそうする事しか出来なかった。

4月になりALICE IN MENSWEAR の活動も思わしくないままmichi.のツイートを見てまさか?と思う日があったけど勘違いであって欲しい願望からか受け入れようとはしなかった。その1週間後に友達からの連絡でニュースになっている事を告げられその事実を知らされる事となった。

2月の発表があってある程度心の準備があったのかわからないが素直に事態を受け止めていた。いや、その感情は次の日に遅れてやってきた。

今まで感じた事のない空虚というか恐ろしい感情が僕を襲った。たまたま心配して連絡をくれた友達に相談したところ散歩を薦めてくれた。半信半疑だが幾分心が落ち着いた。

師匠や先輩、多くの友達が僕に励ましや悔やまれるメッセージを送ってくれた。本当に感謝だ。もちろんSNS等で見るファンからのKOJIへのメッセージも心を落ち着かせる物になった。

 

最初はここで彼との思い出についてのエピソード等を書こうと思ったけど、とあるファンレターを頂きこの時期にどういった感情で過ごしたかといった内容を読んで僕もみんなに伝えるべきだと思った。

よく考えたら僕と彼との友情やエピソードはファンのみんなが持っている辞書にすでに記されているので改めて書くこともないかとも思った。

KOJIの家でプリプロダクトをしている時に焼きそばを焼いてくれた。麺と具がうまく混ざらないと反省していたが月日が経ち僕は麺と具は別々のほうがオシャレじゃないか?と焼きそばを焼く度に思い出す。

 

僕は今自身の新しいプロジェックトの中でKOJIの弾いたギターをコピーしたりアレンジしたりして思い出に浸ったりしている。彼を感じられるとても有意義な時間だ。

良かったらみんなも彼の音楽や作品通じて彼を近くに感じてくれたらと思う。

永遠に。

 

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